奈良市環境部への動脈認証システム導入問題

動脈認証システム導入

自治体として動脈認証システムを勤怠管理に利用しようとする動きもあります。
奈良市ではごみ収集業務を行う環境部の勤怠管理のため、従来までのカード型管理をやめて静脈認証システムへの変更をしようとする案が出ています。
職員管理に「静脈認証システム」

これは奈良市市長である仲川げん市氏が、常態化していた可能性の強い「中抜け」「代打ち」を減らし勤怠の正しい実態をつかむための方策として強硬な意志をもって打ち出したものです。
その提案に対して、静脈認証という生体情報を用いた勤怠を行うことに対して「犯罪者扱いするつもりか?」という反対意見を言っている人もいるようですが、勤怠管理そのものの厳罰化はともかくとして、静脈認証を犯罪者捜査を同一視するのは間違った認識であるとはっきり言うことができます。

静脈認証というシステムを犯罪捜査と短絡的に結びつけてしまう理由はおそらく、かなり昔より犯罪者の登録情報として指紋が用いられてきたことが深く関係していることでしょう。
ですが静脈認証システムの場合、本人を識別するためのしくみは指紋と全く違う技術が用いられており、静脈認証システムそのものを犯罪捜査情報に応用することは現時点ではほとんと考えられないことです。
指紋認証の場合、犯罪が行われた現場に残されていた指紋を採取してその照合をすることで過去の犯罪歴からの個人情報を引き出すということが考えられますが、現在主流となっている静脈認証システムの場合、たとえば立ち入ったお店や利用した用具から本人情報が関連づけられるようなことは絶対にありません。

大手メーカーの認証システム

現在大手メーカーで採用されている静脈認証システムは、赤外線光線を流した空間に指先を差し込むことでその影の部分となって映る静脈の形状を調べることで本人であることを確認します。
ですので、もし指紋のように犯罪捜査に利用するためには、町中でこの赤外線光線によって静脈の形状を投影するシステムが一般的に利用されていなければいけないことになります。
もし静脈認証システムに登録をすることが、犯罪者扱いになることとされるなら、クレジットカードを利用する方がよほど危険な個人判別方法になりますし、さらに街中に設置してある防犯カメラからの顔認証システムを使えばそもそもマスクをつけて出歩かない限り本人のプライバシーを守ることは不可能になります。

新しいシステムが導入される場合には、間違ったイメージや認識で「危険」といった反対意見が出されがちです。
正しい情報で判断をぜひしてもらいたいところです。