課題も多く残る生体認証

開発途上と言える生体認証システム

生体認証は優れた技術であるものの、まだ開発途上にある技術と言っても過言ではありません。
なぜなら、まだ完璧な運用ができていないからです。
どういうことかと言えば、本来なら入場が許さている人間に対して入場を拒否してしまったり、逆に入場を拒否しなければならない部外者を間違って認証してしまって入れてしまうということがあるのです。

これはプログラムをいくら正確に準備していても起こってしまうことです。
人間の身体そのものを使用する認証システムのために、人間側が必ずしもシステム側の意図した動きをしてくれるとは限りません。
日々、数百万人という人間を相手にしているのが生体認証システムですから、その相手の数だけ予期せぬ動きをされてしまう可能性も高くなるのです。

人間が間違えるという事実

プログラム側にはきちんとルールを設けて、マニュアルを設けていても、使う側の人間がそれを守らないケースが多いのです。
企業や組織の入退場のために生体認証セキュリティシステムを採用しているような場合、社員には徹底することができますが、お客さんを相手に生体認証を用いているような場合には、それを強制することができません。
たとえば銀行ではキャッシュカードの暗証番号を盗み出して、赤の他人が悪用することを防ぐために、生体認証カードの発行が進められています。

このようなお客さんが相手の場合、正しい使い方をお願いすることはできても強制まではできません。
その結果、生体認証システムが間違った答えを出してしまうことが出てくるのです。
もちろん、大方の場合には問題なく使用していくことができるのですが、そのような可能性があるということは生体認証の課題と言われています。

難しいものという拒絶反応

また、世の中には生体認証というキーワードを聞いただけで、とても難しいものというイメージを持ってしまい、拒絶反応を示されることも課題となっています。
先ほど例に挙げたような銀行では、生体認証カードの普及をさらに進めたいのが本音です。
顧客の財産を守るためにも重要だからです。

しかし、若い世代はまだしも中高年以上の年齢層の方々には生体認証という言葉を聞いただけで「面倒なもの」「よくわからないもの」「自分には扱えないもの」などと考えてしまって、生体認証カードの発行を断り、通常のキャッシュカードの発行を望むケースが多いのです。
高齢者などになるとそもそもキャッシュカードの発行さえ嫌がるケースがあると言いますので、そのような状況の中で生体認証カードの説明をいくらしても受け入れてもらえないのです。
このようなイメージをいかに変えていくことができるのかということも、生体認証システムを語る上でとても大切な課題になっているというわけです。