DNA認証

DNA認証とは?

生体認証システム(バイオメトリクス)にはいくつか種類がありますが、そのどれも完全に個人を特定できるかという点において若干の不安を感じるものであったりします。
そんな中にあって、過去から技術的に期待されてきたにもかかわらずなかなか実現できずにいたのが「DNA認証」という方法です。
DNAとは、一人の人間そのものを形成する遺伝子の構成によって成り立つものであり、約30億個もの塩基配列により個人のみが持つ形を形成しています。
DNAのことを「人体の設計図」というふうに言うこともあり、人間一人一人の個性をそのまま投影して全く個人ごとに違った配列になっていることが特徴です。
少し具体的なDNAの話をすれば、塩基配列としての構成要素にはA(アミン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)という4種類があり、これらが二重化されつつ細胞核に畳み込まれるような構成になっています。

なぜDNAが生体認証システムとして技術的に大きな期待を受けているかというと、遺伝子配列は個人が固有に持つ独自の情報であり、かつ人体の細胞ひとつずつに全く同じ情報が組み込まれているためです。
よく犯罪捜査などでも「DNA鑑定」という言葉が登場してきますが、それは髪の毛や爪のかけら一つだけといったようなごく僅かな生体情報からでも個人を特定できるほどの情報力を持っているためです。

問題点

しかしながら、DNAのはデジタル情報として鑑定が行われることにより、ほかの指紋認証・虹彩認証・網膜認証といったようなアナログ式の情報をもとにした認証システムとは全く取り扱いが異なってしまうという問題点があります。
その分というとおかしいですが、大変に識別の精度は高く、照合のためのアルゴリズムが不要であるという他の認証にはないメリットがあります。
反面で、DNAに含まれる情報があまりに多すぎることにより、完全に個人として特定するためにかかる時間や手間がかかってしまうということもあり、他の認証システムのように瞬時に個人を特定というわけにはいかないというデメリットもありました。

そこで、今DNA認証システムとして導入が進められているのが、「DNA認証マーク」という個人のDNAを溶解したインキを使った認証です。
DNA認証マークは個人の細胞をもとに作られたものであり、それを認証媒体に接触させることにより、瞬時に個人を判別することができます。
既にシドニーオリンピックなどでは公認グッズとして使用されており、今後より広く使われていくことが期待されます。